2011年2月26日土曜日

『癌(がん)腫瘍管理シート』にCTCマーカを追加しました。


『癌・腫瘍マーカー管理シートVer.3.6』にCTC(末梢血中循環癌細胞数)計数マーカーを追加しました。これは血中の転移癌細胞を計測(COUNT)するもので、2004年にFDAは認可していますが、現在日本での採用は限られた施設だけのようです。乳がん、直腸・結腸癌、前立腺がんの転移検査に有意と考えられ、前立腺がんの場合にもPSA、CTC、ENHANCEと臨床診断の信頼性は高くなりそうです。
がん細胞1gで700万個/日の循環血放出であるらしい。半減期は2.4時間。

詳細は
Ina_ProstateArt 

2011年2月18日金曜日

PSA難民 PSA再発で実態の見えない『がん』を抱え癌難民はどこへ行く?

(全国の前立腺がん患者数6万人が難民化し、彷徨いだしている。)

下のグラフは私のPSA推移である。緑線がPSA実測値で、赤線がデマンド(予想特性)である。記録はRRP(2月15日)の後、4月5日採血でのPSA値から開始され本年2月10日で終了している。
回帰分析でも指数関数を示し、その挙動(kinetics)からは約300日のPSADTと判断され、PSA再発と医師から診断されるに違いない。このグラフからはいかなる施設であっても異を唱えられる事はない。
事実、K大からはPSA値0.384の時点でPSA再発と告げられた。(K大ではRRP後0.2をスレッショルドホールドとしたガイドラインを設定している様である。)
だが、果たして癌であろうか?PSA再発とは言えても、癌を確定でき得る医療機関は存在しない。幻の癌であるからである。何故ならPSA再発で画像等により臨床的に確認されたケースは僅か2%に過ぎないからである。
私の場合も癌再発では無いと主張するつもりは無い。Failかも知れない。だが、疑問はある。
1) 1次処理(RRPなど)後PSAの挙動(kinetics)をもって生化学的再発としている。
癌細胞の残存もしくは転移がその理由である。
だが、癌細胞だけを存在させる様な神業的な手術が可能である筈が無い。残存された組織に僅か癌細胞が付着していたと言うほうが正解である。
癌細胞が常時異型腔孔から喪失された基底膜から漏出するPSA( 抹梢血 )の量に比べ良細胞から射精時に産生放出されるPSA(精液中)は実に100万倍と言う多さである。
この正常細胞は癌細胞とは異なり上皮細胞だけで生存する事は不可能でやがて自然死してゆくと思われるが、その間PSAは射精に伴い体内に放出される。『PSA再発の多数は術後1年以内』との見解には以上の理由であるならば実に説得力を持つ。粘膜や間質の存在なく癌細胞の残存は有り得ない。で、あるならば術後最低2年経過後のPSA挙動で再発を論議すべきと思うが・・・PSA<1ではありえるのではないか・・・?
    
    (2/26追記)私のケースは神経温存していますから前立腺細胞組織が残存している可能性が否
定できません。癌細胞が露出して前立腺上皮が他の周辺臓器と癒着していた場合も同様です。 微小転移巣がある場合ではPSAと癌は相関をもつと考えられますが・・・。


2)前立腺がんと性の問題
LH、ED治療薬(PDE_5)と射精、そして前立腺がんの問題は次回述べたいと思います。

グラフの説明
RRP(2月15日)後1ヶ月余、3月19日主治医からED治療薬(レビトラ)を処方して頂き、7月16日PSA再発と告げられるまでなんら躊躇う事なく服用した。
ED治療薬はPDE_5阻害薬なのでPSA昇降とは無関係となるが、LHの働き無くては、この薬は有効でない。LHはPSAそのものと言い換える事が出来るので、矛盾の成立である。LHの発現は前立腺の膨張を助長し、PSAを上昇させる。慌てて、服用を中止して禁欲体勢を堅持すること約2ヶ月。僕の性分にも困ったもので、PSA降下で安心したのか、抑圧からの開放か、奔放を尽くした結果が1 月10日の自レコ更新。目下現在反省期間中です。




参考
アナログ治療での不可解なPSA上昇原因の可能性として、副甲状腺ホルモンとの発表がなされましたが、他にも大きな理由があると思います。
PSA値は副甲状腺ホルモンでも上昇 (日経メディカルより)2012/3/8追記

2011年2月10日木曜日

日泌会はPSA上昇と射精回数の相関を明らかにすべきだ。

前立腺がんの再発とされているのは、前立腺特異的マーカーであるPSA値による挙動(kinetics)である。
臨床癌でも病理診断でも無い。生化学的免疫反応である。大凡総ての前立腺癌の一次的処置(手術や放射線)後の病態観察でPSA測定を行い、この数値及び患者の特異的状況をもってエンドポイントを決定している。即ち、PSA挙動を再発因子としている。では、現在に至るまで再発とされた患者の転移癌もしくは局所残留癌が臨床確定された実証数が公開されていないのは何故なのか。PSA再発における内分泌療法終了後に臨床癌と進行した患者データが依然として闇である。論議はPSA再発とその処置までで、成立数(癌実証数)には触れていない。

処置後のPSA降下をみて患者も納得している。が、果たしてPSA降下は癌の壊死や癌の不活性化だけが要因なのであろうか、もともと癌細胞が放出するPSAは良性前立腺細胞が放出する量に比べればかなりの低さである。言い換えれば、癌細胞がなくとも放射線照射でPSAは降下する。では、全摘(RRP)術後で癌細胞の因子によらないPSA上昇は有り得ないのか?60歳で男性ホルモンの分泌低下はとまるが、精子の産生及びPSAの産生は継続する。が、その産生メカニズムは異なり良細胞からのPSAは射精時のみ大量に放出する。従って前立腺細胞組織が残存すれば、そして活発な性活動があるならば、導管を喪失したPSAどこへ行くのでしょう?分解されるだけでしょうか・・・?
PSA>1ならば明らかに「がん」細胞で、取り残された良細胞からのPSAは考え難いと医療サイドは言うが・・・果たして正解なのであろうか・・・?



こう言う疑問を感じているのは僕一人だけでない。多くの前立腺癌患者が実感として抱えているのである。

参考

射精でPSAは減少する。理由は精液が枯渇するから。(Effect of ejaculation on PSA levels)

1998 Mar;51(3):455-9.
The effect of ejaculation on prostate-specific antigen in a prostate cancer-screening population.
この論文では射精とPSAは無関係と結論しています。