2013年9月17日火曜日

PSA対策型検診で死亡率が44%減少。に対するINAの反論




ある医療系サイドサイトのPSA検診問題で、僕の「不要」に対し、44%の相対減少効果を主張する匿名GUESTの書き込みがありました。賞味期限がやや超過した感じがしなくもないテーマではありますが・・・、その反論です。
 
要約と背景
イエテボリ・スタディでの全死因死亡者数は介入群・症例群とも同じで2000人、リクルートされた患者数は双方とも10000人、年齢は5064歳。癌死判定された患者数は介入群44人(母集団10000人で0.44%)、症例群では77人(母集団10000人で0.77%)、この結果から検診介入による死亡減少効果は44%とされた。追跡期間は14年。
日本における2011年度の前立腺がん患者総数は18万人(推定)、罹患者5万人(年)、年間がん死亡者1万人とされている。

inaの言い分

全死因死亡者数は介入群・症例群とも同じならば、この期間での相対生存率は100%と云えると思います。これが全て。
以下ウダウダと理由を述べます。

死亡原因の追次4項、イ)ロ)ハ)ニ)はWHO準拠との事ですが、この不自然さは理解できません。
何故なら、減少効果44%を認める事は、この集団の時間軸に関与しない絶対比パターン(全死因者2000人対症例群がん死亡77人或いは介入群がん死亡44人)も同時に認める事になり、日本の前立腺がん死亡者1万人(年間)に換算適応させた場合、年間26万人の合併症などの死亡者が算出される事になります。対策型検診をした場合はその数はもっと膨らんで45万人もの判定不明な死亡者が算出される事になります。都合のよい部分的な比率44%だけを持ち込む訳にはいかないでしょう。疑問としない機関は現実に相当数のsterben(死亡者)が存在するのは常識で、知らないのは我々だけでしょうか?
減少効果44%を認めるならば、日本での前立腺がん総死亡者数26万人~45万人(年間推定)をも同時に認めなければならない。出来る相談ではないでしょう。或いは全死因死亡者2000人の合理的な死亡説明は必須で、過剰な医療介入を否定出来る証拠もいるでしょう。
参考
全死因死亡率は欧州主要7ヶ国ERSPC0.9995% CI:0.97-1.02)、PLCO米国(0.9795%CI:0.93-1.01)で介入群と症例群とも何れも有意差はない。(ERSPCPLCOに関する更新ステートメント 2011/3/31から)
PLCO10年累積全死因死亡者数が約4000人で、癌死者約90人、5574歳。イエテボリと同様、全死因死亡者が出鱈目に多い。これは癌死者1人に付き44人が不審死している計算になる。因みに米国での前立腺がん年間死亡者数3万人、患者数23万人(2005年)。PLCOに従うならば44倍の132万人が全死因死亡者数に換算され、患者総数の23万人を優に超える。これらの有り得ない数字を見ると僕は反論する自信を喪失させられ・・・僕はやはりアホなんと違う・・・と思えてくる。ERSPCは全死因死亡者数の集計を公表していない。
参考