2014年1月14日火曜日

射精でPSAは減少する。理由は精液が枯渇するから。(Effect of ejaculation on PSA levels)





PSAにビビリながら射精してるのは日本人だけではない様だ。


2013年の或るスタディで、50歳以下の男性35人とPSAスクリーニング対象である50歳以上の男性(j1)  25人に射精をさせて、射精前と、射精後1時間、そして24時間後にPSAを測定し、射精とPSAの生理学的影響を調査した。血清中のPSA半減期を2.6日と定め、この研究の目的を 「 PSAによる偽陽性の回避 」 としたグループは自国から全額と思われる研究費の助成を受けた。


その結果、50歳以下の男性では射精後PSAは著しく低下を始め、24時間後に射精前のPSAの値に上昇復旧した。精液の枯渇をその理由と考えたリサーチャ達は、今度は枯渇気味だろうな男性、つまり、高齢男性達に目を向けサッサと射精を迫った。病院の施設内だから当然、相手もツール(?)も無く孤独な作業に没頭して、ヤットコサ放出した精液と血清を各々提出した。エロいビデオもなく無茶な話だが、精液中と血清中のPSAの濃度比較を観察しようと言う訳で、射精の最高年齢は66歳。
米国のスタディでは最高年齢79歳での射精もあるぞ~、オイ !!  (´・ω・`) 

その結果、見事に予想が外れ、24時間後のPSAでは一部の人達が上昇していたのである。特に尿路狭窄症の男性に顕著に見られビフォアー・アフター約1.3倍の上昇で、筆頭著者らは射精による痙攣発作 (>_<) でなく 、射精中の骨盤筋と前立腺周辺組織の収縮作用によるPSA漏出と見当をつけた。が、他のスタディでも高齢者の高いベースラインのPSA値を持つ男性は累乗的に上昇してもガン細胞や前立腺細胞の反応と拘り無く、、何れ元のベースラインに戻るので偽陽性のリスクは低いと推論した。

調査した論文の結果は下表ですが、射精によるPSA上昇の(ガン組織の反応も)断定は否定してもいいかと思います。

 



 

 

「 Evidence based thinking about heaith care 」Bandolierサイトが調査したスタディは下表です。参考に。 

 

これらから、若い年代層の射精では⇒PSA減少後復元傾向で、高齢者の射精は⇒PSAが高い人は上昇後ゆっくりと復元傾向。特に尿路閉塞症等の疾患(がんも含め)患者は上昇傾向の印象。だが、大半は変化なし。


よかったョネ !! ビビらなくて ヾ(@⌒ー⌒@)


 






2002年september, ペンシルヴァニアの Alan J. WeinMD は彼の論文で言う 「 SEXや射精がPSAレベルにさほど影響を与えないのは理解している。が、しかし、私は患者には言うだろう、“PSA検診前の2日間は射精を控えるように” と・・・」 。逆に、” 禁欲がPSAに与える影響は無いだろう ” とも言えない。
 
 

余談ですが、これらのスタディからは前立腺マッサージも自転車のサドルも、PSAに、生理学的にも、臨床学的にも、減少或いは影響はないとしているスタディが多くあります。射精でPSAが上昇すると言った泌尿器科医達のエビデンスはどこから来ているのでしょうか? 誰か教えてください。





notes
j1:   AUA:米国泌尿器科学会は4054歳はPSA検診推奨の対象ではない。2013/5 statement