2015年9月24日木曜日

前立腺がん・推定有病者20%、罹患者の60%は行方不明




過去20年間、前立腺がん発病者の73%は生存し、内45%は完治する。致死率(死亡者/罹患者)は27である。完治者数が死亡者数を上回ったのは2003年(PSA健保認可)から(有病期間)以降である。但し、完治者とは正確には統計上の行方不明者かも知れない。

叱責を覚悟で言うならば、過剰診断か?と、識者に問うてみたい。事実、2005年以降この行方不明者数は罹患者累計の50%を越えているからで、経験した生検の痛さや手術はお気の毒と言う外ない。

1991年から2011年間の総罹患者数(65人)から同死亡者数(16万人)を差し引いた生存者数49人中から消息が分かる有病者数18万人を差し引いた31人が行方不明である。

厚労省統計情報部が作成した患者調査(傷病分類編)Patient Survey2011 (Disease and Injury)に収録された前立腺がん《前立腺悪性新生物調査表》(表ー1)の有病者(患者総数)をsourceに完治or治療離脱者を推定し、推移とした1991年から2011年の20年間の統計である。

計算式は 
完治者(行方不明者)数=期首有病者(総患者数)+罹患者累計ー死亡者累計ー期末有病者
として作成されたのがグラフ。
















2005年以降で言えば罹患者累積生存者数80%のうち治療(再発者等)或いは監視通院継続者は20%程度で、完治もしくは行方不明者は60%弱と高率である。


例えステージA~Bであっても治療後はPSA検査通院(有病者)するのが普通と思うのだが・・・。





全部位癌男女全年齢との比較では、罹患者総数の約半数が死亡し、生存者の内37%が完治(或いは消息不明)し、12%が有病者となっている。(下グラフ)

因みに、この期間(20年)で罹患者累計数は12,748,627死者累計6,456,735
毎年60万人が癌になり、約半数の30万人が毎年癌で死亡している。








注)
1)表ー1の首期と期末の有病者数は引用したが、期中の毎年数値は矛盾発生したので、有病者数=罹患者数×有病期間から算出した値(見積値)を適応した。
泌尿紀要33巻10号(198710月)では京都府立医科大学の渡辺泱 et al は前立腺がんの有病期間を4年としたが、 有病者数181000人を信頼すれば2000年代では3年弱が妥当な値と言えると思います。 
有病等定義、解説、Data は下記source参照

全部位がん統計中 有病者と死亡者のICDコードはc00-c97ですが罹患者の集計されたコードはc00-c96です。c97悪性多重癌は罹患者集計に含まれていません。



Patient Survey2011
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h23syobyo.pdf