2015年10月10日土曜日

癌・20年間に於ける致死率(皮膚12%~膵臓91% 迄。全部位平均51%)



前立腺がんの致死率は 7.5% と言っていいのかも知れない。

実測死亡率、補正死亡率等の統計上のデータは衛生保健管理や人口動態調査に有用かも知れない。が、患者が個人的な立場で必要とするのは寧ろ相対生存率や致死率ではないかと考えています。
致死率とはある疾病に罹患した場合に死亡する確率で、母数を疾病患者数、分子を疾病死亡者数として算出されています。相対生存率(癌患者死亡率10%、癌以外群死亡率10%の場合相対生存率は100%)の様に他因子で死亡する割合と比較する事も可能です。唯、過剰診断などで罹患者数が多い場合は必然的に致死率は低減しますので、癌平均死亡年齢、発病年齢、死亡者数等も視野に入れた判断が必要と考えます。発見され難い癌は致死率が高いとも言えそうですが、それでも、膵臓癌と診断されればビビります。

1991年から2011年間の癌統計、死亡者はcancer_mortality(1958-2013)、罹患者は
cancer_incidence(1975-2011) から引数して下グラフは作成されました。
罹患者累計12,346,686人。死亡者累計6,239,322人 癌の致死率50.53%となっています。
過去20年間で癌罹患者の半数が死亡した事になります。



 下グラフは同順列で粗死亡率を表しています。(対人口10万人)
このグラフでは膵臓癌は粗率23で安心しますが、これは錯覚で、軍隊で云えば、A隊もB隊も戦死者10人で死亡率は同じでも、A部隊のメンバー総数10名の場合は全滅で、B隊が20名で有った場合は半数は助かる事を意味しています。






 参考DATA






癌・致死率推移







有病期間: 発病してから死亡或いは完治するまでの期間。
数式では有病期間=有病者数/罹患者数。 patient Survey2011 から有病者数を、cancer_incidence(1975-2011) からは罹患者数を引数して有病期間を算出した。
期間致死率: 1991年ー2011年間の累計された死亡者数/罹患者数。
致死率推移: 有病期間を2年から3年として、その区間の累計から追次的に致死率を求めグラフ化した。 



癌全般的には2000年以降致死率は降下傾向にある。これは医療技術の水準、特に癌マーカーの開発などによる罹患者の増加が理由なのかも知れない。前立腺がんでは2011年致死率は15%と期首の半数以下で、PSAが大きく影響していると云ってよいと思われる。一方、発掘し難い癌の致死率は高い。

前立腺がんの致死率は 7.5% と言っていいのかも知れない。
前立腺癌では2011年で80歳以下での致死率は 7.5 % 、80歳以上の死因は癌以外の可能性が高い印象です。




他の癌。致死率推移は癌・致死率推移(過去20年間)



SOURCE
cancer_incidence(1975-2011)
Patient Survey2011
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h23syobyo.pdf