2013年7月3日水曜日

何故骨転移か?(立ち寝できる人は転移がない)


 
 
リンパ行性と血行転移 何故骨転移か?
 

TNM分類では血行性転移とリンパ行性転移の二分類とされ、リンパ行性からは膀胱に、或いは仙骨への転移が希に観察される。が、これらは直接侵蝕或いは逆流による転移であり、肺への転移もリンパ行性と云われているが血行性転移が普通である。リンパは領域転移とされている様に転移したリンパ節の、そのリンパ領域の臓器(骨を含む)に直接浸潤か逆流して転移されるのがリンパ行性である。

骨への転移は、漿膜の無い食道のがん等にみられる様な癌病巣から直接骨への侵蝕性転移はなく、静脈叢からの転移経路が多い。分類的には血行性骨転移である。複雑にしているのは静脈叢とリンパ管とは相互に交通していて、また骨盤及び脊椎静脈叢(傍椎体静脈)には弁構造がなく(硬膜外 batson 静脈)胸部、腹部、骨盤、脳へと静脈還流系へ直接接続されていて血流も双方向性をとる為にがん細胞は複雑な転移形態をとると思われる。つまり、下大静脈を介さずに前立腺静脈叢と脊椎静脈叢は方向性なく接続されていて血液は湖のような溜まりをみせる。なので、脊椎や骨盤の転移、そしてtight junction機構を持つ脳関門の制限を得ない脳転移が容易に生じる。

venous lake(静脈湖)様と呼ばれるこれらの血液の淀みに漂うがん細胞は、或いはNCCNの言う全身播種を示唆するのかも知れない。

骨髄で造血された未成熟な血液細胞達は分裂を繰り返す度に分化され熟成した血液に成長していく。この静脈湖はウィスキーを寝かす樽と言えるかも知れない。


 





 


リンパ節による転移は直接臓器への接触浸潤であり、前立腺がんの場合の血行性骨転移では、大腸がんの肝転移(門脈経路系)と同様に、脊椎静脈系(basivertebral vein)の転移が多くみられ、肺転移や手足の抹消骨転移に多い循環系でない。





 
 
 
 




















骨転移部位(骨ストラクチュアー)

では、骨のどこに転移するのか?何時するのか!!?
その前に骨のストラクチュアーから云います。一番外側に「外骨膜」があり2層目の「骨質(緻密骨:皮質骨)」と強力に接着され、3層目に「内骨膜」そして「海棉骨(骨梁間には骨髄)」最後に「骨腔」があり、黄色(成長期、短骨では造血球で赤色)の「骨髄」が充填されているイメージです。図C
皮質骨は丁度ロールケーキを収層構造したイメージで、一本のロールケーキをosteon、中心にhavers管(血管)、神経、リンパ、横断ではvolkmann管とでNETWORK網が敷かれています。図b
がん細胞は外部静脈管から骨へ浸潤侵入し、三つの分岐された血管に侵入しますと、血流の一番多い骨髄方向にがん細胞は分布される傾向があり、更にhavers管から分岐されたvolkmannで拡散されて海棉骨や骨髄に着床すると云われています。がん細胞は骨髄毛細血管で増殖すると言われています。もし、骨髄に浸潤すると汎血球減少症を合併し致死率は高くなります。肺がんからのパスウェイは動脈(栄養血管)となりますが四躯骨への転移は少ないようです。図C



転移の動態(がんは身体を駆け登る:日本人での調査)

転移を有した患者の86%弱が骨への転移です。経路は脳転移と同様batson静脈叢(傍推体静脈叢)と考えられ、最初に骨盤静脈叢から骨盤骨に転移し次に骨盤骨から肝臓へ転移し(多分、batson→門脈→肝臓だが、門脈も無弁なので何故消化器に転移しないのかは不明。解れば追記します。肺はbatsonと交通があります。)、3番目にはその上部に位置した肺へ、そして最後は脳へと、がん細胞は駆け昇ってきます。肝や肺に転移が無く脳に転移があった場合は肺循環経路では無く、batson経路の可能性が高い。
もし、がん細胞が肝静脈に流入した場合は肺転移は勿論、全身転移のリスクも高くなりそうです。
リンパ節と骨の転移順序はありません。

転移は複雑」な経路を経て癌が昇りますが、上るほど疲れて(肝肺でのフイルター)転移頻度は下がると言われています。

では、何時転移するのか!!?  多分夜中(就寝中)でしょう。




深夜のリンパ管挙動の静止や自律神経、血流の動態( 臥位で前立腺静脈叢から骨盤骨へ流れ、立位では逆流:がん細胞も菌感染も同じ、また筋肉弛緩による静脈血の鬱滞はがん細胞の転移、接着を容易にし:がん細胞も血栓も同じもそうですが「生命のリズム(月の満ち千き)」がその理由です。何故「月」なのか?臓器の殆どの漢字は女性名詞の代表格である「月」に修飾されていて・・・           これ以上言うとバカにされそうなので、これで止めます。      失礼しました。・・・・  /m(-  -)m    しかし、ビカルタミド(カソデックス)の最大血中濃度は何時に設計されているかご存知ですかぁ~・・・・次行きます。

 


骨転移予防と虫歯予防ついでにリユウマチ


病理学的分類では前立腺がんは乳がんや肺臓がんとは異なり胃がんに多い造骨型(骨形成)となりますが、組織学的には溶骨混在病巣となります。がん細胞が周辺の間葉質系細胞(骨芽細胞、コラーゲン)を刺激して、或いはマクロファージが、PGE2(プロスタグランジンE)を放出させ、ナイーブTho細胞をTh2細胞(液性)に分化させ、骨髄由来のマクロファージ未成熟単球細胞を多核細胞である破骨細胞に分化・融合させていきます。ここら辺は虫歯と同じプロセスを辿ります。尤も虫歯の場合はミュータンスによる乳酸産生と歯髄も関与しますが・・・。以前アレルギー性体質は転移し易い(癌:真菌説を追うⅠ)で書きましたが、リユウマチを含め元凶はアラキドン酸だと思います。マルで余談ですが・・・癌真菌説では癌はカンジタ菌であるとイタリアのMD(メディカル・ドクター)は言いましたが、カビキラーで癌は改善しません。同様に骨転移にライオンやサンスターは何の役にもたちません。役にたつのは成分にあるハイドロキシアパタイトぐらいでしょうか。



では、どうするか?骨組織に侵入したがん細胞は間質細胞やマクロファージからIL1βIL6(インターロイキン:破骨細胞活性化因子)PGE2を発現させ正帰還的に破骨細胞を活性化させる。これらのサイトカイン はリュウマチ患者にも多く発現(関節液)しており、骨吸収を亢進させ骨萎縮を誘導する。破骨細胞の抑制にはゾレドロン酸(ゾメタ):ビスホスホネートが使用されているが、既に報道されている様に今後に向けて顎骨壊死する人が増加する可能性も否定できない。



立ち寝も出来ない我々はどうするのか?傾斜型ベッドにすれば頭にがん細胞は上れないかもしれない。タダで出来る対策は効果なし?そんな事はありません。あのエコノミー症候群(Long_flight 深部静脈血栓症)でも時偶足を上げて寝るだけで一命が助かるんですから。血の流れをバカにしてはあきません。しかし、根本的な対策ではない。転移防止用ベッドでも開発されれば話は別だが・・・。



そもそも、がんも老化も酸化(酸素結合:水素放出(イオンではない)電気的には電子が流れていく・ポテンシャルの喪失)が原因である。放射線治療も抗がん剤もこの原理である。細胞と酸化還元(レドックス制御)・脂質と膜は次に行きたいと思いますが、骨転移の予防はアレルギー対策と同じで、リノール酸、アラキドン酸(PGE2)を控え味噌やヨーグルト、納豆等或いはアスピリン、ジキニンやイブ(イブプロフェン)を摂取すればIL-6を抑制し酸化し易い体質が改善されるかもしれない。これは前立腺がんだけでなく、乳がんや結腸がん細胞の増殖をも阻害すると言われている。前立腺癌患者の約半数に悪液質(カヘキシー)があると言う。IL6を抑制すれば改善する。(kuroda et al, urology 69,2007) 


ウソぽい話だが、リュウマチ患者には重篤なガン患者が少ないと言われている。抗炎症剤セレブレックス(セレコックス:celecoxib)服用が理由と考える論文もあります。

飲み薬はど~かな~と言う人には股間や下腹部にエアーサロンパス、アンメルシンヨコヨコ、パテックス、バンテリン等を貼り付けたり塗ったりするとインドメタシンの作用で前立腺がん再発予防に効果的かも知れない。。(僕はしていませんが・・・)

夜間頻尿にはロキソニンやセレコックスが処方されると言う。

過度の性行為、特に射精痛などがあるとPGE2が多量に産生誘起され転移や憎悪の原因になる可能性があるので控えたほうがいいのかも知れない。
 



 







本文は前立腺がん再発治療(癌:局処病か全身病か) の最終章に追記された複製文です 

 

notes
使用しているイラスト(図)はNETからオリジナルを借用して加工しています。著作権等の問題がありましたらばご連絡ください。即時消去します。ina.takasi@gmail.com
その前に、この素晴らしき作者達に深い敬意を表します。

血小板系細胞は分裂を伴わない分化形式のようです。

参考文献

Chapter6: Bones and Skeletal Tissues
 

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