2010年6月30日水曜日

安保闘争 困った福田さん(狂々曲 第Ⅳ楽章 メルヘン)

『未来免疫学』と言う御伽噺(YOTABANASI)があるらしい。僕は馬鹿らしくて拝読していませんが、WIKIに有りました。2013クラスのメルヘンです。以下引用です。太文字だけでも読んで下さい。


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2010年6月29日火曜日

安保闘争 困った福田さん(悲愴 第Ⅲ楽章 不協和音)

『お鶴!お父ッアンの岩(癌)はもう~イケねぇ~!今朝も安保庵先生が南蛮渡来の秘治療を教えてくださったんだが・・・、何でも江戸表にある福田屋養生所の2階が、特別秘養生部屋になっているてぇ話だが、その2階部分が、どうにもこうにも高くて(料金)いけねぇや! 
全文はVOICEに移行しました。 スミマセン

2010年6月26日土曜日

2月28日 癌末期の人(最後の守り)

『嫌や!!    会いたく無い。』洩れ聴こえてくる拒絶の叫びである。『無理にでは無いんですよ。・・・』
看護師さんと患者さんの会話だが、大凡の察しはつく。事前に数名の医師が訪れていて、この患者に告げるには『これが効かんようになったら、次は麻薬やで・・・』。引き揚げた医師と入れ替わりにこの看護師さんが来て、患者さんに何か説明をしだしたのである。が、患者は頑なに拒否を示し、後は無言の抵抗と言う訳である。実はK市には3ヶ所の終末期医療施設(ホスピス)があり、ここK大病院は地域医療連絡NETで連携しているらしい。これらのホスピスの職員とこの患者との面談を看護師さんがセッティングしだしたのであるが、冒頭の如く拒否の姿勢を示したのであります。
この患者さんK大と同じ都市にある私立病院で治療していたのであるが、どうも前立腺癌の発見が遅れた様で、既に骨にも癌は来ていたのである。紹介されたK大にての診察結果は、推定される余命は半年と言う過酷な宣託で 、どうも本人はここを最後の場所と決め込んだ様である。本人と直接話す機会も幾度かあったが、その中で強く印象に残ったのは〈生きる意志〉であった。ホスピス拒否の理由は2つ。本人曰く、ここK大に見捨てられるのが寂しいから。他病院ではK大程先進的な機械が揃っていないから。であるらしい。病院で準備された食事も献立に拠っては食べない。自炊である。ある日、僕に一冊の写真本を見せてくれた。タイトルは『癌のための食事』とかであった様に記憶している。生きる強い意志である。なので、当然看護師さんと食事で揉める。人間同士だから感情も露骨にでる。一瞬部屋の雰囲気は沈んだ重い緊張感で張り詰める。
僕は先に退院したので、彼の消息は知らない。看護師さんはご存知だろう。だが、看護師さんは知らないだろうけれども、僕は知っているのである。彼が夜中、静かに泣いていたのを・・・


記録『桃色吐息』

2010年6月25日金曜日

安保闘争 困った福田さんⅡ(狡猾な癌)

僕は前立腺癌で、PSAが13(普通は4以下)も有りました。ハッキリした癌のアピールです。で、免疫系で言いますとWBC(白血球)数は9000ケ位で優秀です。リンパ球数も3000位はあったと思います。申し分の無い数値で、難しい話になるがサイトカイン(インターロイキン)、とかの免疫制御機能、ホルモン分泌も正常だったと思う。でも、癌なんである。機械(PSA測定器)が分かって、60万年(?)培って育んだ神秘作品である人体が(自然淘汰に勝ち抜き、進化してきた)機械に及ばないのである。その機械は、実は、人間の脳が作ったと考える時、実に多くの疑問(?)を孕み私を悩ませているのであります。

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VOICE

2010年6月22日火曜日

安保闘争 困った福田さん (追放された情報もあるのですが・・・)

日米安全保障条約のお話では有りません。弱者(患者)がお金に見えるお話です。
最初に申し上げておきますが、私は決してホリスティク医療反対の立場の者ではありません。寧ろ、非常に大切と、心から願う一人です。だからこそ、弱者に巣食って餌食にする悪しき人を糾弾一掃して、安心した掛け値の無いロジックのある医療を受ける権利を主張するのです。本来その業界団体や学会、最終的には監督官庁のお仕事なのですが・・・業界の仕組みそのものが利害絡みで不備の塊みたいなものですから、真実が伝わって来る筈が有りません。表題の件ですが、もし事実なら『よくやった』と言うのが私の印象です。

雑誌やチラシNETでは代替医療の広告で満ち溢れています。それも世界に先駆け先進医療を誇るこの日本でです。この傾向は日本だけでは無いようで、概ね先進国では似たり寄ったりであるらしい。それにしても、何故見るからに怪しげな健康食品や民間療法がここまで流行るのであろうか?現代の唯物医学に何かしらの不信感があるに違いありません。試しに最近話題のホメオパシー(癌も消えるらしい)の取扱店を覗くと、アロマテラピー、ハーブ、サプリメント、フラワーレメディとかが豊富に並べられ、これらの商品の品定めをしていたのは全員女性であったのには驚いた。が、店の雰囲気はデパートの化粧品売り場と同じで、居酒屋の様に〈店長お勧めの一品〉なる貼紙も有りません。 どうも男性には近寄りがたいし、ベンダーも男性客はハナカラ相手にしていないようだ。これらはまだカワイイ方で、問題はもっと深刻な癌に纏わるイカガワシイ許し難いお話です。

〈免疫力で癌を治そう〉〈免疫力で癌が消えた〉〈癌は食事で消える〉〈始めてみよう免疫療法〉などと医学書もどき(著者も医師)で、何れも、ほんまかいな~?と思うので有ります。この免疫については今まで何度も機会ある度に書いてきましたが、もう一度簡単に言います。

少々強引に言いますと、登場人物は4人で、そのキャスティングは、善人の名札をぶら提げたAさん。悪人の名札をぶら提げたBさん。死刑執行人のCさん。裁判官のDさん。 
1)正常な免疫の機能では 悪人Bさんを裁判官Dさんが執行人Cさんに死刑を命令します。
2)もし、悪人Bさんが善人の名札をぶら提げた場合や、裁判官Dさんが悪人の名札を目の患いで読めなかったり、執行人が不在だったりの場合は、病気(癌も含めて)になります。
3)逆に、善人Aさんが悪人の名札をぶら提げた場合、裁判官か執行人が狂った場合などは、自己免疫疾患の様に自分の身体を溶かし始めます。アレルギーなどですね。
基本的には以上です。

ここで、問題にしたいのは、揃って書物に書かれた、一般論で言う『免疫力』と言う言葉です。
これは、あくまでも私の私見ですが、まともであればあるほど、この『免疫力』を説明出来る医師も免疫学者もいません。何故なら、残念ながら未だにその機序は完全に解明出来ていないのです。胸腺の機能が解明されたのもつい最近で、Tサップレッサー細胞の存在も故多田富雄さんの論文を待たねばなりませんでした。ウイルスや特異的な例は除外可能(?)とできるかも知れませんが・・・ここにある文献があります。敢えて著作者不明なWIKI、癌ウイルスから選びました。下記は、その一節です。赤字に注目して下さい。

宿主の生体内において癌細胞が存在すれば、その癌細胞は細胞表面に自然と癌抗原ペプチドを発現しており、そのペプチドに対する特異的なCTLも自然に誘導されている。しかし、そのCTLの数と力(免疫力)が十分でないために癌は増殖し、結果的に宿主に致命傷を与える。癌自体にもCTLの攻撃をかわす様々な機構(免疫逃避機構)がある。そこで、癌抗原ペプチドを人為的に投与し、特異的なCTLを強力に誘導することで癌を治療するのが、癌ワクチン療法である。つまり、癌抗原ペプチドを癌ワクチンとして宿主に投与することで、癌抗原ペプチドに特異的なCTLを大量に誘導し、そのCTLが癌を治療または予防するわけである。殺し屋も相手を選ばずやたらめったらに殺しまくるわけではない。殺し屋はターゲットの情報を十分に与えられなければ仕事をしない。この情報となるのが癌ワクチンといえるかもしれない。

恐らく、これを記載した人物も『免疫力』が一体何を指す言葉であるか、意味不明の訳の解らないまま書き込んだか、若しくは、インチキであろう。この様に真実の中に重大な嘘が紛れ込み、弱者を迷路へと誘(いざな)うのである。

下サイトにも転載してあります。
VOICE

2010年6月17日木曜日

エリカ様はクリスチャン? (錬金術師 のホメオパシー)

AD41年の頃であろうか、南仏はプロバンス地方サント・マリー・ド・ラ・メールに2人の男女が降り立った。世はヘロデの時世である。恋の逃避行なる駆け落ちでは無い。主キリストの十字架で命カラガラ、当時の流刑地であった南仏に逃れたのである。これは史実として今でも語り継がれている。(キリストになり損ねた聖徳太子 参照)女の名はマグダラのマリア。マリアはやがてイシス(エジプト神)信仰であったアルル地方で女神となり、カトリックの礎となったが(マドレーヌ)、問題は男の方である。名はシモン・マグス。

全文はここ(VOICE)に移動しました。

2010年6月15日火曜日

何でもアリの医療の世界(ホメオパシー)

一昔前になるが、友人の奥さんが癌治療にご自身の尿を飲んでいらして、友人もご相伴に与っていたらしい。この友人、レッキトシタ高分子の専門家で開発研究員である。で、薬は専ら患者専用と言っており、どうも商品には手を付けない主義らしい。


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2010年6月12日土曜日

胎児と癌の違い (2010:8:9更新)


癌と胎児の違いです。癌タイジのお話ではありません。
結論から先に言いますと、身体の自己から見れば兄弟の様なもので大差は在りません。
胎児は半分他人で大きい移植片ですが、自覚症状としての緩やかな拒絶反応(つわり)がある分癌より良心的と言えるでしょう。癌の発育に自覚症状も伴わず、免疫に排除され無い理由としては、胎児が母親の免疫システムからの攻撃を受けないようにする仕組みと同じです。つまり胎児は自分の標識HLA(人白血球抗原:一致するのは一卵性双生児ぐらい)を胎盤が隠して母親の免疫システムから胎児の身を守るのです。
HLAの無い細胞は自然免疫に攻撃されますから、自然免疫にたいしては胎児由来に発現するHLA-G(抗体)と言う免疫抑制を胎盤が生成して母親の自然免疫から退治を守ります。(a)


で、癌はと言いますと、まだ免疫が完成されていない胎児の時から腸粘膜などに幾つかの癌抗原を作り、すでに自己としていたのですから、癌に対する免疫の機能は働きません。胎児性癌抗原と呼ばれるものが此れです。食道ガン、胃ガン、結腸ガン、直腸ガン、膵ガン、胆道ガン、肝細胞ガン、肺ガン、子宮ガン、卵巣ガン、尿経路ガン、肉腫、白血病などは免疫を期待する事は出来ません。元々、胎児の頃から自己としていた訳ですから。見境の無い凶暴な自然免疫(NKキラー)からでさえ逃走する訳ですから、もう、とても手に負えません。

免疫だけではありません。胎児が作る新生血管も、癌が転移していく為に癌が作る新生血管(癌細胞が血流に乗って転移する為に癌は新しい血管を作り末梢血管等に接続します)も同じ因子(VEGF)が関与します。リンパ管もやはり同じです。胎児と癌は同じ様に成長してゆきます。


外科手術こそが最大の免疫療法であると故多田富雄氏は述べましたが、その文脈の流れのなかで 「 発癌させた免疫正常ネズミ(野生型)から取り出されたガン細胞を培養し、できた細胞株を再度元に戻した(移植した)ら免疫が発動し癌が消えた。」と、言う。ウソの様な話ですが事実として報告されていて、これは自然発生したがんの細胞組織に免疫システムは機能しない(非力の)証拠の一つとされています。(故多田富雄氏:免疫の意味論)
この事は、受精卵から胚葉に自然卵割され上皮細胞様形成していく胎児にも、ガンと同様に、免疫は非力なのではないかと思います。


notes
(a):胎盤は胎児由来の細胞と母体(子宮粘膜)由来の細胞が相互に作用して形成されます。母体側の血球(母体血)は胎児側抹消血管に直接接続されていなく、胎児側由来の胎盤膜(栄養膜細胞)を介して胎児側血管から臍帯に運ばれます。この胎盤膜細胞表面抗原提示(MHC)がなく、或いはLHAーGを発現させ母体側免疫システムから胎児を免疫から防御します

2010年6月9日水曜日

ソフィーの選択 (幼いエヴァと兄のヤン)



前立腺癌(親父の病気)とは縁も脈絡(ゆかり)も無いお話ですが、『せんとくん』のお話の流れに沿って此処『ソフィーの選択』まで漂い流れてきました。底流にあるのは『人の愛と生命』です。
ウイリアム・スタイロンの小説『ソフィーの選択』は1947年。夏。男性2人と3人で同棲生活するダウンタウン・ブルックリンからの書き出しで始まりますが、お話は、その3年前の1944年。有名な『夜と霧』をこえての舞台ポーランドに移ります。実は、このソフィー、人生に於いて常に過酷な選択を迫られて決断と共に生きてきました。父と夫はナチスの誤解から処刑され母は病の病床に臥せ、彼女は子供2人と共々にアウシュビッツに移送される最中、人生の究極の選択と遭遇します。

アウシュビッに立錐したままで移送される列車の中での場面の1節です
『ソフィーは娘エヴァと息子ヤンを片時も離さないようにしていた。エヴァは皮のケース入りのフルートと「ミシ」と名づけた子グマのぬいぐるみをしっかり手に握っていた。「ミシ」は赤ん坊のころからずっとだいじにしていた宝もので、いまはもう片目と片耳がとれてなくなっていた。
外は土砂降りの雨だった。チーズのような嘔吐の悪臭、何より空気が足りない。幼いエヴァが空腹で泣きだしたが、ソフィーにはどうすることもできない。兄のヤンがなんとかなだめていた。
恐怖で気が狂ってしまった老婆がいる。十六歳ぐらいの女子修道会学校の生徒二人が・・・』

ドイツ軍の医者がソフィーに言います。『お前の子供2人の内どちらかを焼却炉に入れるから、差し出しなさい。どちらかはお前が選ぶんだ』

終戦後に収容所から開放されたソフィーにはニューヨーク・ブルックリンでも人生の選択が待ち構えていましたが・・・。お話のエピローグではソフィー自身も最後の選択をします。
私は駄目ですネ・・・ こう言うお話。最後まで書けません。ハイ、またまた涙です。

2010年6月6日日曜日

奇形児・障害児を愛せますか・・・?(病苦を抱えた多くの人々)




前にもこのブログで述べた記憶がありますが、僕の入院先はK大学病院で奇病難病の患者が全国から治療に訪れて来られています。未だ僕が産まれる以前はハンセン病(レプラ)が珍しく無く、K大は全国に先駆けてこの難病と取り組でいた事もあってか、多くの患者が入院していらした様です。丁度今の北病棟辺りである。今でも、良く茂った蔦で覆われた古い木造の建屋が残っていて、その当時を覗えます。私と同じ階の病棟に皮膚科が併設されていたので、ハンセン病(?)を抱えた人とは廊下やエレベータで良く出会ったりしていました。(感染は胸腺の障害を持った幼少時に多く、成人感染は滅多に無いらしい。)ハンセン病に限らず色々な障害を抱えた人々がこの病院を出入りする訳です。ロビーでもその様な症状の人々が出入りするのですが、中には露骨に避ける人もおられるんですね。ハンセン病にしても、何も好き好んで罹った訳ではありませんし、『存在の意味論』でも言いました様に、正に外観で差別を、疎外感をうけておられる訳です。人品人格等は外観に左右されません。ハンセン病の患者さんの心の奥底は知る由も有りませんが治癒を願って必死に治療をうけられているのです。それだけではありません。奇形を持って産まれてきた子供も多くいます。
1000人当たり6~7人程と言うことです。母親も子供も一緒に必死に『生きる』為に戦っています。
僕は今もう涙がとまりません。奇形の子供を持つ母親の気持ちや、戦う子供。この子供の生命は短く、哀れでなりません・・・・・。もう涙でこれ以上書けません。
最後に・・・、ある母親の投書の相談を見ました。紹介します。

『奇形児・障害児を愛せますか・・・?

妊娠6週目です。現時点で異常児がうまれる可能性があり、『ハイリスク妊娠』と診断されました』・・・・
奇形児・障害児を愛せますか・・・

追記 
ハンセン病は、世界保健機構によれば日本の新規罹患者数は0です。

2010年6月5日土曜日

せんとくん キメラ生命は忌避される存在である。

『奈良のせんと君は何故キメラでなければならないのか?』続きです。
当時東京大学医学部免疫学教室の多田富雄さんが、その著書のなかでキメラについてこう述べておられます。
『洋の東西を問わず、異種の動物が同一固体内に共存する事は、恐ろしい忌避すべき事である。キメラがペガサスに乗った勇士ペレロボンによって退治され、鵺(ヌエ)が頼政によって簀巻きにされ空(うつ)ほ舟で流されたように、生物の世界からは厳格に追放されなければならなかった。』(原文のままの一節)

奈良は宇多の八咫烏(金鵄勲章のデザイン)に案内された件(くだり)で神武東征軍は尻尾のある(つちぐも)一族と遭遇していますが、 彼等はキメラではありません。百歩譲っても神話が産んだ世界です。西洋では有名な人魚姫もあります。ですが、これらは、最初に言葉(物語)があり、宗教観、そして一番大事な事ですが『哲学』が伝わって来ますが、ただ徒にこの様な生き物を作る哲学や宗教観とは、どの様な見識なのか是非窺いたいものです。見識も倫理観も何も無いなら話は分かりますが・・・せんとくん!君のお父さんは誰で、お母さんは誰で、何をしにこの人間社会に来たのか(存在の意味)を皆に話して下さい。

2010年6月4日金曜日

立ち上がれない日本!(縮むか?胸腺!)

Tvを観て驚いた。『立ち上がれ日本』。このメンツである。格好が好いと言うにはかなり無理が来ているこの三人が立ち上がらせると言うのである。首筋にエレキバンを貼ってのご登場を観て、これを信じる国民は恐らく誰もいません。一番信じていないのは当のご三人です。老齢化して既に前立腺全摘状態で勃起不能の日本列島(ご三人では有りません)をエレキバン3人組が立ち上がらせると言うのです。かなり無理してコジツケた前書きでしたが、自律神経と胸腺のお話の続きです。

神経は大きく分けて2つあり、随意神経系(体性神経系)と不随意(自律神経系)であます。これが『二つの祖国』の由来であります。自律神経により支配される器官は心臓、肺、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、および生殖器等ですが、近年では、自律神経系、内分泌系に免疫系を加えたカテゴリーで扱われることもあり、プラス・ワン神経免疫学、精神神経免疫学に広がりを見せています。
ウツにも免疫のメカニズムが明らかになるといいですネ。期待しましょう。
12月15日『血は本当に血迷うのか』で書きました様に、血は必要な所に迷わず行きますし、逆のモーメント(NFB:ネガティブ・フイードバック)が作用(半力学的?)して元の状態に戻す恒常性が働きます。全て自律神経系の働きです。

有名なる言葉『闘争か逃走か(fight or flight)』なる極限のパニックやストレスを抱えた時、血は頭に上り、戦いでの出血を最小限に留める為皮膚や内臓へは最小限の血液供給しか行なわれない事が判りました。では胸腺は如何なる挙動を示すのでしょうか。マウスによる実験が行われました。
その結果胸腺はストレスに極めて弱い事が証明されました。急速にマウスの胸腺は萎縮していたのです。別の実験では、24時間金網に閉じこめる(拘束ストレスという)だけで、胸腺は約半分の重量に減量し、免疫能は著しく低下します。胸腺は実にデリケートな臓器なのです。只、この胸腺は老化による退萎とは異なりストレスから開放されると元の大きさに復元すると言う事です。ストレスは老化の大きな原因です。老化を早めます。オス、メスの有意差は明らかで、メスが断然耐ストレス性を顕著にしています。人間社会でも同じでしょうネ・・・・多分。

2010年6月2日水曜日

寿命 誰が決めるのか

旧約聖書の創世記では、『女好きのお前たち子供を沢山産んで、ホンマ、アキレるわ。人間と一緒にいられへん』と神さん(精霊)。なので、人間の寿命は120年に決まったと言う事らしい。有名なノアの箱船の章にあります。要は只の肉だからそれで充分と言う訳であります。もっと遡れば男は土(アマダ)から、女(イシャー)は男の肋骨から出来ています。アダムとイブの語源です。
現代に至りまして細胞分裂の回数から寿命を計算しますと、神さんのお言葉通り120年を算出しております。但し、此の数値は生理生命の寿命で生態寿命はもっと短くなる訳ですが・・。

二つの祖国でも言いましたが、身体の自己(自分の意思とは無関係に作用している呼吸とか心臓ですが)、これは、二つの自律神経の指令で無自覚に作用しています。実はこの神経は胸腺と深い関係にある事が最近判って来ました。マタマタ胸腺(別名:胸仏と言うらしい)の登場であります。無理やり胸腺にクッツケ様とは思いませんが、私は、どうも此の胸腺なるものが生命の根幹を束ねる大変重要な機関では無いだろうかと思える様になりました。
人間の三位一体とは、頭脳、心臓、そしてこの胸腺ではないでしょうか?
やはり又マウスの実験ですが、胸腺と寿命のお話を続きでします。

夢の癌治療薬 寿命も100歳まで伸長(マウスでの実験)既に実用臨床も・・・(免疫抑制剤)

【7月9日 AFP】イースター島(Easter Island)の土壌で発見された化合物をネズミに服用させたところ、寿命が飛躍的に延び、人間なら100歳以上に相当する長生きとなったとする研究結果が、英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。Nature Vol.460 duly 2009で夢の様な話である。
同島のポリネシアン名「ラパ・ヌイ」に由来)」からラパマイシンと呼ばれ、英名シロリムス(Sirolimus)
米テキサス大などの研究チームは元々抗がん剤の延長上にある免疫抑制剤や長寿延命剤、癌抑制剤に効果があるとしている。2008年10月7日に米国食品医薬局より、腎機能低下のリスクを警告するラベルを訂正する許可が出されている。
一方日本では参天製薬株式会社(本社:大阪市)と、マキュサイト社(本社:米国カリフォルニア州)は、シロリムス製剤(開発コードDE-109)について、日本(アジアを含む)での全ての眼疾患を対象に開発および販売実施権に関する契約を締結した。
santen HP

2009年の研究では、ラパマイシンを与えられたマウスは与えられる前に比べて寿命が28-38%伸長し、最大寿命が全体で9-14%伸長した。同研究の注意書きによると、実験は生後20ヶ月の成熟したマウス(ヒトに換算すれば60歳前後)で行われた。これは、一般的な延命策と違って、すでに高齢化しているヒトの寿命を伸長させる可能性を示唆している。しかし、前述のとおり、ラパマイシンには強い免疫抑制作用があり、医師の処方によらない安易な摂取はやめるべきであるとしています。
実はこの研究は、NIH(アメリカ国立衛生研究所)による大規模な長寿研究プロジェクトの一環であり)、レスベラトロール以外にも緑茶抽出物、クルクミン、アスピリン、降圧剤エナラプリル、コレステロール低下剤シンバスタチンなど、広く使われている医薬、体によいといわれる多くの物質が試されています。これらを押しのけてラパマイシンの効果が実証されたのですから、注目に値する結果であるのは間違いありません。

(以下: 京都薬科大・応用薬理 抜粋引用)
一方,PTEN の変異もmTOR 阻害薬に対する感受性に影響を及ぼす.Yu らによると,8種類のヒト乳癌細胞の内,CCI-779感受性を示した6種の細胞はPTEN の欠損やエストロゲン受容体陽性あるいはHER2/neu の高発現などの性質を有しており,CCI-779 に耐性を示した細胞にはこのような性質が認められなかった(Endocr Relat Cancer. 2001;8:249-258.).これらの結果は,p53 やPTEN の遺伝子変異パターンを解析することにより,癌細胞のmTOR 阻害薬に対する感受性が予測可能であることを示している.

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現もラパマイシンによって抑制されることが報告されており,Guba らは免疫抑制に用いられる用量のラパマイシンが癌転移モデルおよび腫瘍移植モデルにおいて著明な抑制効果を発揮し, その作用機序として血管内皮細胞の増殖および管腔形成を共に抑制することを報告している(Nat Med. 2002;8:128- 135.).

現在3種類のラパマイシン誘導体の臨床試験が腎細胞癌および乳癌患者などを対象に実施されている.特に,p53 やPTEN の変異はヒト腫瘍の50% 以上に認められ,mTOR 阻害薬がこれらの遺伝子に変異を持つ細胞に対して選択的に効果を発揮することは,正常細胞へ攻撃を回避し,腫瘍特異的な癌治療を行う上で非常に有用な薬物であることを示している.全文はコチラに。
京都薬科大HP
Nature.2009.v460.p392-5.pdf