前立腺癌は男性の持つ癌での死亡順位で7番目(7.6)に位置し、全部位がん有病者対比死亡率16.5%に対し前立腺癌では同4.4%と他の癌の1/4と死亡リスクは低く、80歳以下での死亡率には有病者の1.8%と算出され、男性の平均寿命を考えると98%以上の患者は天寿に近い予後が期待できるのではないかと考えています。
前立腺癌の死亡率を押し上げているのは他の癌と異なり85歳以上での死亡率が高い所為です。例えば45~54歳で肺がんの1/45。55~64歳では肺がんの1/15。65~74歳では肺がんの1/7の死亡率ですが、85歳以上では肺がんによる死亡者の減少(母数の減少:有病者数)からか約1/2.5になります。
病期分布:stageと死亡率
Ⅳ期の年間発生者数と年間死亡者数とは同じである。
全がん協の共同調査での罹患者のstageはⅠ期=8%、Ⅱ期=50%、Ⅲ期=16%、Ⅳ期=18%で5年生存率=55.7%。全stageでの同生存率=95%と報告しています。2012年全患数262100人、死亡者11600人の統計調査でも単純生存率は約95%となり整合性のあるデータと思われます。
前立腺癌新規罹患者65400人をこの罹患者診断stage分布で推計すれば、 Ⅰ期=5232人、Ⅱ期=32700人、Ⅲ期=10464人、Ⅳ期=11772人の推定分布となり、Ⅳ期罹患者数は年間死亡者数11600人に合致し、Ⅳ期の厳しさが伺えます。が、しかし罹患者は75歳以上でも増加傾向にあり推定5年生存率を考慮すれば死亡年齢は大半が日本男性平均寿命の80歳以上でのイベントと言っていいと思います。 開き直る訳ではありませんが、別に前立腺癌でなくても現ゼロ歳男児の約半数は80歳までに死亡するのが普通ですから・・・。
前立腺癌患者は平均より長寿かも知れない。
下の折れ線グラフ(data source全国年齢階級別死亡数)では、前立腺がんによる平均死亡年齢は81歳位で、つまり、2013年度男性平均寿命80歳より上です。知ってましたか・・・?
PSAの無い時代の方が、平均寿命より6歳長生きしてた。
下のグラフは1958年から2012年(54年間)の前立腺癌と全部位癌で死亡した平均年齢の推移です。男性平均寿命と比較しました。2012年時点で、全部位癌平均死亡年齢は75歳位、前立腺癌は81歳位で平均寿命より長寿でした。
下のグラフは1958年から2012年(54年間)の前立腺癌と全部位癌で死亡した平均年齢の推移です。男性平均寿命と比較しました。2012年時点で、全部位癌平均死亡年齢は75歳位、前立腺癌は81歳位で平均寿命より長寿でした。
つまり、相対生存率(同性同年齢の生存率比較)はⅣ期(転移癌:5年生存率50%位)をふくめても100%以上、なので、Ⅰ~Ⅲ期ならば癌による死亡は稀ではないかと・・・思っています。
データソース: 地域がん登録によるがん生存率等のデータ |
0 件のコメント:
コメントを投稿